化学プラントにはどんな種類がある？作られる製品も解説

化学プラントとは、有機物・無機物を問わずさまざまな物質の化学反応などを利用し、製品を製造する工場です。化学プラントは、使用する原料や製造方法によって種類が分けられます。本記事では化学プラントの種類や作られる製品について解説します。

有機化学プラント

有機化学プラントは、主に石油化学プラント、天然ガス化学プラント、石炭化学プラントに分けられます。

石油化学プラント

石油化学プラントとは、石油精製・ナフサ分解などを行い、石油化学製品を作る工場です。知名度や規模から、化学プラントの中でも代表的な工業となります。石油化学プラントで作られる製品は主に次の通りです。

• プラスチック
• 合成繊維
• 合成ゴム
• 塗料
• 合成洗剤、界面活性剤
• 薬品・肥料

上記の製品はさらに加工され、パソコンやタイヤ、洋服、電子・電気機器の部品などあらゆる業界で使用されるものになります。

石油化学プラントでは、まず油田から運ばれてきた石油が精製され、石油ガス（LPガス）やガソリン・ナフサ、灯油留分、軽油流分などに分けられます。

石油化学製品に使われるのは、ここで分解されるナフサです。ナフサをナフサ分解炉へ通して化学反応を起こし、エチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼンなどの石油化学基礎製品を作ります。その後、他の工場で別の物質に作り変えるなどを行い、関連工場などへ運ばれます。

天然ガス化学プラント

天然ガス化学プラントとは、天然ガスに水蒸気を加えるなどの加工を行い、主成分のメタンから作られるメタノールやアンモニア、エタン、エチレンなどからさまざまな化学製品を製造する工場です。天然ガス化学プラントで作られる製品は主に次の通りです。

• プラスチック
• 合成繊維
• 医薬品
• 塗料
• 接着剤
• 洗浄剤

天然ガスは埋蔵量が多く不純物が少ない（90％以上がメタン）ことから、安価かつ安定供給ができる原料です。

石炭化学プラント

石炭化学プラントとは、石炭を乾留させることで作られる石炭ガスやコールタールなどから、さまざまな化学製品を製造する工場です。石炭化学プラントで作られる製品は次の通りです。

• 化成品（クレオソート油、ベンゼン類など）
• 電池材料
• プラスチック
• 精密化学品

石炭ガスやコールタールは、鋼鉄製品の製造過程で発生する副産物です。しかしこれらの分離などを行うことで化学製品になります。メーカーによっては、鋼鉄製造と化学製品製造を並行して事業を行うケースもあります。

無機化学プラント

無機化学プラントには、ソーダ工業プラント、アンモニア工業プラントの2つが挙げられます。

ソーダ工業プラント

ソーダ工業プラントとは、塩を原料とした化学製品を製造する工場です。塩を電気分解して苛性ソーダ、塩素、水素などを製造する電解ソーダ工業や、炭酸ガスやアンモニアガスと反応させてソーダ灰を製造するソーダ灰工業に分けられます。ソーダ工業プラントで作られる製品は次の通りです。

• 石けん・洗剤
• アルミニウム
• 廃水処理用のか性ソーダ
• 還元剤
• 塩素
• 塩化物（液体塩素、塩酸、次亜塩素酸ソーダなど）
• ガラス
• 圧縮窒素・液化水素

アンモニア工業プラント

アンモニア工業プラントとは、窒素を含む無機化合物を生産し、アンモニアや硝酸などを製造するプラントです。例えばアンモニアは化学基礎製品として、肥料やメラミン樹脂、ナイロンの原料として使われます。

まとめ｜さまざまな製品が作られる化学プラント

化学プラントでは、石油、天然ガス、石炭、塩などの原料の化学反応・加工によって、さまざまなものが製造されています。これからも化学プラントでは、私たちの生活を支える製品が作られ、日本全体を支えていってくれるでしょう。

この記事の監修者

KK MAGNET 事務局

KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去・磁力検査や粉体輸送、省人化等の事業です。
プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。 本コラムはKK MAGNETが監修するお役立ちコラムです。