粉体搬送とは?種類ごとのそれぞれの特徴や生産性を上げるポイント
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粉体搬送は、粉状の原料・製品を取り扱う工場にとって重要な工程です。粉体搬送方法にはさまざまな種類がありますが、使用する粉粒体やその他設備に応じた方式を選択するのが、粉体搬送の生産性を上げるポイントです。
本記事では粉体搬送の概要や種類、生産性を上げるポイントを解説します。
粉体搬送とは?
粉体搬送とは、粉粒体を必要なところまで移送することです。食品工場だと、グラニュー糖、脱脂粉乳、小麦粉、塩など、粉状の原材料が粉粒体に該当します。
粉粒体は1粒が軽量であり、そのまま運べば飛散して各所でのトラブルを引き起こしたり、ロス率が上昇したりなどの事態を招きます。また食品工場での粉体搬送は、衛生面や異物混入などを考慮しなければなりません。
工場では粉粒体を移送する場合は、粉体移送装置を用いて粉粒体を機械的に任意の場所まで送るケースが一般的です。
粉体搬送方法の種類
粉体搬送方法には、設備構造によってさまざまな種類が存在します。粉体搬送方法の種類とそれぞれの特徴を解説します。
人力で運ぶ
1袋が10〜20キロ程度であれば、人力で袋を運び、ホッパーや混合機の上で開封して投入する方法があります。機械の導入やメンテナンスのコストがかからないのがメリットですが、作業効率や安全面で問題が発生しやすいのがデメリットです。近年では、パワーアシストスーツを導入して女性でも作業ができるようにする工場も増えてきました。
吸引式
吸引式の粉体移送装置は、真空ポンプなどで粉粒体を吸引して任意の場所へ運ぶタイプです。バキュームコンベアなどが該当します。粉粒体は輸送配管やフレキシブルホースを通って運ばれるため、外部からの異物混入を防ぎやすいメリットがあります。また、輸送経路をある程度自由に設計できるのも特徴です。
圧縮空気式
圧縮空気式の粉体移送装置は、粉粒体の供給元(タンクなど)と供給先との圧力差を利用して移送するタイプです。機械的な力など余計な力がかかりにくいため、粉粒体の形状を維持したまま移送できるメリットがあります。
スクリュー式
スクリュー式の粉体移送装置は、らせん状の羽を回転させ、羽の部分で粉粒体を押し出すことで移送するタイプです。スクリュー羽を取り替えることで、さまざまな粉粒体に対応できます。混合・撹拌しながらの移送が可能です。ただし、粘度の高いものや摩耗・破損を避けたい粉粒体には適しません。
バケットコンベア式
バケットコンベア式の粉体移送装置は、バケット(カゴやバケツなど)をチェーンやベルト状に取り付けたバケットコンベアを使って移送するタイプです。粉粒体には力を加えずに移送するので、摩耗・破損しやすい粉粒体でも形状を保ったまま運べます。また、バケットの大きさ単位での移送になることから、定量的な移送を求める場合にも向いている方式です。
まとめ|効率良い粉体搬送で生産性を上げよう!
粉体搬送作業で生産効率を上げるには、粉粒体の特性や製品に応じた粉体搬送方法を選ぶことが大切です。また、製造ラインやタンクの構造・スペースに応じた装置を選択しましょう。
輸送ラインは定期的な点検や清掃を行い、粉粒体の詰まりによる移送トラブルや、隙間からの粉粒体漏れ・拡散による周辺機器への悪影響などを防止することも重要です。
効率良い搬送ができれば、粉粒体の投入作業の効率化や原料のロス率低下、重量物取り扱い作業によるケガや事故の防止などにつながります。工場に合う粉体搬送を選び、生産性を向上させましょう。
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この記事の監修者
KK MAGNET 事務局
KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去・磁力検査や粉体輸送、省人化等の事業です。
プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。
本コラムはKK MAGNETが監修するお役立ちコラムです。