お役立ちコラムCOLUMN

KK MAGNET株式会社TOP > お役立ちコラム > 金属異物除去・マグネット > 鉄だけじゃない?アルミ・ステンレスに対応する除去装置の選び方

鉄だけじゃない?アルミ・ステンレスに対応する除去装置の選び方

異物混入対策は、製造業における品質管理の根幹を担う重要な工程です。特に「金属異物の除去」は多くの現場で当たり前のように行われていますが、その多くは鉄の除去に特化したマグネット式装置にとどまっているのが現状です。しかし、実際の現場では鉄だけでなく、アルミニウムやステンレスといった非磁性金属が混入するケースも少なくありません。

「磁石で取れない金属異物はどうするの?」「ステンレスやアルミを除去する装置ってあるの?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。

この記事では、鉄以外の金属異物、特にアルミやステンレスに対応した除去装置の選び方を、基本からわかりやすく解説します。装置ごとの仕組みや対応金属の違い、選定時のポイントまで幅広くご紹介しますので、金属異物対策をさらに強化したい方はぜひ参考にしてください。

非磁性金属とは?なぜ除去が難しいのか

磁石で除去できるのは基本的に「鉄」や「フェライト系ステンレス」など、磁性を持った金属です。一方で、「オーステナイト系ステンレス」や「アルミニウム」は非磁性、つまり磁石にくっつかないため、従来のマグネット式では除去が難しいのです。

非磁性金属が混入する原因には、例えば以下のような事例があります:

  • 装置の摩耗によるアルミ片の落下
  • ステンレス製器具の破損
  • 材料に含まれる微細な非磁性金属片

これらは見た目では判断しづらく、サイズも非常に小さいため、発見が遅れると製品クレームや機械の故障につながります。そのため、非磁性金属に対応した除去装置の導入は、ますます重要性を増しています。

アルミ・ステンレスに対応する除去装置の種類

非磁性金属を検出・除去するには、磁力ではなく別の技術が必要です。ここでは代表的な装置を紹介します。

1. 金属検出機(メタルディテクター)

電磁波を用いて、金属全般を検出する装置です。鉄・アルミ・ステンレス問わず、すべての金属異物を高感度で検出できます。

特徴

  • コンベアや配管ラインに組み込みやすい
  • 微細な金属片も検出可能
  • 除去機構と組み合わせて使用(エジェクターなど)

ただし、水分や塩分の影響を受けやすいため、食品などの高含水製品には調整が必要です。

2. 渦電流式金属分離機(エディカレントセパレーター)

アルミなどの非磁性金属に対して、渦電流を発生させて反発力を利用し分離する方式です。主に再資源化や廃棄物処理の現場で使用されます。

特徴

  • 大量処理に向いている
  • 主にアルミの分離に強み
  • 目視では除去困難な小片も対応可能

一方、コストが高めで、狭いラインや小型処理には不向きです。

3. X線異物検出機

製品内部の密度差を検知して、異物を検出します。ステンレスやアルミなども検知可能で、パッケージ内部の異物にも対応できます。

特徴

  • 包装済み製品でも検出できる
  • 高精度だが導入・保守コストが高い

除去装置の選定ポイント

アルミやステンレスへの対応を見据えた装置を選ぶ際は、次のようなポイントを考慮しましょう。

対象とする異物の種類・サイズ 大きさや形状により適した方式が変わります
製品の性質 水分量や密度、包装状態など
ラインの処理能力・速度 装置の反応速度や処理量と合致するか
設置スペース 既存ラインへの組み込み可否
コスト・ランニング費用 初期導入費用だけでなく、メンテナンス性や電力消費も考慮

現場に合わせたベストな選択をするには、複数のメーカーや機種を比較検討し、場合によってはテスト導入を行うのが理想です。

装置導入の効果とは?

実際にアルミ・ステンレスに対応した除去装置を導入した現場では、以下のような成果が報告されています。

  • クレーム件数の大幅減少
  • 海外輸出基準(HACCP等)への対応強化
  • 検査工数の削減による生産性向上
  • 従業員の心理的負担の軽減

装置は単なる「異物除去」だけでなく、「品質の見える化」や「信頼の確保」にもつながる、重要な投資だといえるでしょう。

まとめ

現代の製造現場では、非磁性金属であるアルミやステンレスへの対応こそが、次なる品質対策の鍵となっています。

そのためには、従来のマグネット式に加え、金属検出機や渦電流式分離機、X線検出機といった新たな装置の導入が必要不可欠です。もちろん、装置ごとの特徴やラインへの適合性を見極めた上で、慎重な選定が求められます。

品質への信頼は、一朝一夕には築けません。しかし、適切な異物除去装置の導入は、その第一歩となるはずです。

「非磁性金属の混入が心配」「検出の限界を感じている」という方は、まずは現場に合った装置選びから始めてみてはいかがでしょうか。

当社では、製品・現場ごとに最適な金属異物除去装置をご提案しています。
無料相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

ケーケーマグネット株式会社

KK MAGNET 事務局

KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去磁力検査粉体輸送、省人化等の事業です。
プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。

関連記事

施工事例

AREA
対応エリア

金属異物除去対応エリア

全国対応

北海道地方
北海道
東北地方
青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県
関東地方
茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県
中部地方
新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県
近畿地方
三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
中国地方
鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県
四国地方
徳島県 香川県 愛媛県 高知県
九州・沖縄
福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県