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初めての金属除去装置導入で失敗しないためのチェックリスト

製品の品質を守り、異物混入によるトラブルを防ぐために「金属除去装置」の導入は欠かせません。特に食品、化学、医薬品、樹脂加工などの製造現場では、金属片の混入が製品クレームやリコールに直結するため、多くの企業が導入を検討しています。

しかし、初めての導入となると、何から始めればいいのか、どの装置が最適なのか、予算や設置場所との兼ね合いなど、悩みは尽きません。導入後に「思ったより感度が低かった」「生産ラインと合わなかった」などの失敗を避けるためには、事前の準備と正しい知識が重要です。

この記事では、初めて金属除去装置を導入する方向けに、失敗しないためのチェックポイントを網羅的に解説します。導入の流れや装置の種類、選定のコツ、現場での注意点まで、わかりやすく丁寧にご紹介します。

金属除去装置の基礎知識

金属除去装置とは、製品の中に混入した金属異物を検出し、取り除くための装置です。主な方式は以下の3種類に分類されます。

磁力式(マグネット式) 鉄など磁性金属を磁力で吸着して除去
金属検出機(メタルディテクター) 電磁波で金属異物を検出し、自動で排除
X線検査機 密度差を検知し、金属や異物全般を見つける

それぞれ得意分野や適応条件が異なるため、現場の製品や異物リスクに応じた選定が必要です。

導入前に確認すべきチェックリスト

導入にあたって、最低限押さえておきたい確認項目を以下に整理しました。

1. 異物のリスクを明確にしているか

どのような異物が混入しやすいかを明確にしておくことが第一歩です。

  • 鉄片なのか、ステンレスなのか、アルミなのか
  • 異物のサイズや形状はどの程度か
  • 混入の可能性がある製造工程やタイミングは?

現場の作業員からのヒアリングや過去のクレーム履歴も活用し、リスクを可視化しましょう。

2. 製品特性を理解しているか

検出性能は製品の性質に大きく左右されます。

  • 粉体、液体、固形などの形状
  • 水分量、塩分濃度、温度
  • 製品包装の有無

これらによって、使用できる装置の種類や感度設定が異なります。食品などの場合、導電性が高いと誤検出のリスクもあるため注意が必要です。

3. 装置の設置場所・スペースは十分か

装置の選定と同時に考慮すべきが設置スペースです。コンベアタイプか、配管ラインか、バッチ式かによって必要スペースも変わります。

  • 既存ラインに組み込めるか
  • 装置周辺に作業スペースは確保できるか
  • 定期メンテナンスに必要なアクセスが取れるか

寸法図やレイアウト案も早めに入手しておきましょう。

4. 処理能力と生産量に合っているか

高感度な装置であっても、処理能力が足りなければ生産のボトルネックになります。逆に、過剰性能はコスト負担になるため注意が必要です。

  • 生産ラインの処理速度(kg/h、個/h)
  • 処理量に対する装置の応答速度
  • 高速処理での誤検出率

5. 検出結果の記録・追跡は可能か

品質保証やトレーサビリティの観点から、検出履歴を記録できる装置が望ましいです。

  • 検出ログの出力や保存形式(USB、ネットワーク等)
  • 検出回数や内容の記録機能
  • HACCPやISO対応の帳票出力機能

装置選定の注意点

機器選定で失敗しないためには、価格だけで判断しないことが重要です。以下のような視点も忘れずに検討しましょう。

検出感度と除去精度のバランス

感度が高すぎると誤検出が多くなり、逆に除去精度が低すぎると異物を見逃します。テスト機を用いて実際の製品で感度確認を行うのが理想です。

ランニングコストと保守性

導入費だけでなく、消耗部品の交換頻度や定期点検の費用なども比較しましょう。保守契約の内容も確認が必要です。

現場教育のしやすさ

装置を扱う現場スタッフが理解・操作できることも大切です。マニュアルのわかりやすさ、アラート表示の明確さ、トラブル時の対応のしやすさなど、実用性も考慮しましょう。

よくある失敗事例とその回避法

実際の導入現場で見られる失敗事例と、その予防策を紹介します。

誤検出が頻発

製品特性と装置の適合を確認していなかった。→ 試験導入で実製品を用いた感度確認を実施すること。

ライン停止が頻発

装置の処理能力が不足。→ 既存ラインの処理速度と装置のスペックを事前に比較。

異物除去率が低い

除去機構との連携が不十分。→ エジェクターやフラッパーの動作確認を含めてテスト実施。

運用が属人化

教育不足で操作にバラツキ。→ 取扱説明書の整備と定期的な研修が有効。

まとめ

金属除去装置の導入は、品質向上と信頼性確保において大きな一歩です。しかし、導入を成功させるには「選び方」と「準備」が極めて重要です。

今回ご紹介したチェックリストを活用し、現場の実態とニーズに合った装置選定を進めることで、導入後のトラブルや後悔を最小限に抑えることができます。

「何から始めればいいかわからない」「自社に合う装置を提案してほしい」とお考えの方は、まずは専門メーカーや技術担当者に相談することをおすすめします。現場での実機テストやヒアリングを通じて、最適な選択肢を導き出すことができるでしょう。

当社では、導入前の現場調査やテストなど、初めての方にも安心のサポート体制をご用意しています。
お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

ケーケーマグネット株式会社

KK MAGNET 事務局

KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去磁力検査粉体輸送、省人化等の事業です。
プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。

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