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マグネットセパレータのメンテナンス方法|性能を長持ちさせるコツ

マグネットセパレータは、食品工場や樹脂加工、金属リサイクルなど幅広い分野で「異物除去」の役割を担う重要な設備です。しかし、導入しただけでは長期間にわたり安定した性能を発揮することはできません。磁力を最大限に活かし続けるためには、定期的なメンテナンスと適切な管理が欠かせないのです。

この記事では、マグネットセパレータを長持ちさせ、常に安定した異物除去効果を維持するためのメンテナンス方法について詳しく解説します。日常点検のポイントから清掃手順、磁力のチェック方法、寿命を延ばす工夫まで、実務に役立つ情報を整理しました。

マグネットセパレータが劣化する原因とは

まず、なぜメンテナンスが必要なのかを理解することが重要です。マグネットセパレータは強力な永久磁石を利用して金属異物を捕集しますが、長期間使用するうちに性能が低下する要因がいくつか存在します。

異物の堆積

使用を続けると捕集された鉄粉やステンレス片が表面に溜まり、通過する原料に磁力が十分届かなくなる場合があります。

摩耗やキズ

原料や異物との接触によって表面に傷がつき、磁石の性能や耐久性に影響を与えることがあります。

熱や環境の影響

高温の製造ラインや湿度の高い環境下では、磁力の減退や錆の発生が進みやすくなります。

使用頻度の高さ

大量処理を続ける現場では磁石の消耗が早く、通常より短いサイクルでメンテナンスが必要となります。

これらの要因を放置すると、異物除去性能が落ち、最終製品の品質や安全性に直結するリスクが高まります。

メンテナンスの基本方針

マグネットセパレータのメンテナンスには「日常点検」「定期清掃」「性能検査」の3つの柱があります。

日常点検

毎日の操業中や稼働後に目視で異物の付着や摩耗状態を確認することが基本です。

定期清掃

捕集した鉄粉や金属片を取り除き、表面をきれいに保つことで磁力を効率的に発揮させます。

性能検査

磁力の測定や表面の損傷確認を定期的に行い、必要に応じて交換や修理を検討します。

この3ステップを確実に行うことで、マグネットセパレータは長期間にわたり安定稼働が可能となります。

清掃の具体的な方法

清掃はメンテナンスの中で最も基本かつ重要な作業です。以下に代表的な手順を紹介します。

1. 捕集物の除去

付着した鉄粉や金属片を取り除きます。機種によってはスライド式やカバー式で簡単に清掃できるものもありますが、作業中は必ず安全装置を停止させましょう。

2. 表面の確認

金属ブラシやヘラを使用するのは避け、布や樹脂製スクレーパーで優しく拭き取るのが望ましいです。強い摩擦は磁石やコーティングを傷める原因となります。

3. 洗浄

油脂や粉体がこびりついている場合は、中性洗剤や専用クリーナーで洗浄します。その後、水分をしっかり拭き取り、乾燥させてから再設置します。

4. 防錆処理

湿度の高い環境では錆が発生しやすいため、清掃後に防錆スプレーを薄く塗布するのも有効です。

磁力のチェック方法

磁石は一見すると変化がわかりにくいため、性能が落ちていても気づかないケースがあります。定期的に磁力を確認することが大切です。

テストピースを用いた捕集試験

規定サイズの鉄片をセパレータに近づけ、吸着力を確認します。

磁力計による測定

表面磁束密度を測定し、購入時と比較してどれほど低下しているかを数値化します。

吸着距離の確認

鉄粉や針金を少し離れた位置から近づけ、どの程度の距離で吸着するかを確認する方法も現場では用いられます。

メンテナンス頻度の目安

マグネットセパレータの使用環境や処理物の種類によって適切な頻度は異なりますが、以下が一般的な目安です。

日常点検 毎日
清掃 週1回~月1回(粉体ラインは週1回以上推奨)
磁力チェック 半年~1年に1回
専門業者による点検 1年に1回以上

使用頻度が高い現場や食品工場など高い衛生基準が求められる現場では、より短いスパンでの点検が望まれます。

長寿命化のコツ

マグネットセパレータを長く使うためには、単なる清掃だけではなく日常管理の工夫も重要です。

  • 強い衝撃を与えないよう慎重に扱う
  • 高温環境を避ける、または耐熱仕様の製品を選ぶ
  • 清掃時に表面を傷つけない
  • 磁石の寿命を考慮し、予備機を用意しておく
  • 取り扱いマニュアルを作成し、現場スタッフ全員で共有する

専門業者によるメンテナンスの重要性

自社での清掃や点検は大切ですが、一定期間ごとに専門業者へ依頼することも推奨されます。プロの技術者は磁力測定や内部状態の確認などを正確に行い、交換時期の判断を的確にしてくれます。結果的に予期せぬトラブルや製品事故を未然に防ぐことにつながります。

まとめ

マグネットセパレータは導入すれば半永久的に使える設備ではありません。捕集物の堆積や環境の影響によって性能は徐々に低下していきます。日常点検・定期清掃・磁力測定を確実に行うことで、長期間安定した異物除去効果を発揮させることが可能です。

特に食品工場や品質基準が厳しい業界では、わずかな性能低下が大きなリスクにつながるため、メンテナンスの徹底は必須といえます。日々の管理と専門業者による定期点検を組み合わせ、マグネットセパレータを最適な状態で運用していくことが、安全で信頼性の高い製品づくりに直結するのです。

この記事の監修者

ケーケーマグネット株式会社

KK MAGNET 事務局

KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去磁力検査粉体輸送、省人化等の事業です。
プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。

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