プラント設備工事の費用相場はいくら？工程ごとの目安を解説

プラント設備工事の現場では、本体の建築工事、配管工事、足場工事などさまざまな工事が行われます。それぞれの工事を遂行するには専門知識・技術が必要になるので、工程ごとに業者へ工事を外注することを前提とした費用を、計画策定時点で見込むことが大切です。

本記事ではプラント設備工事の費用相場について解説します。

プラントの設備工事の費用相場は設備や業者による

結論から言えば、プラントの設備工事にかかる費用相場を正確に出すのは難しいのが実情です。プラント設備工事で発生するコストは、プラント規模、導入設備、製造環境など、対象となるプラントによって大きく変わってくるからです。

またプラント設備工事と一言に言っても、工事内容や工程は多岐に渡ります。プラント本体の建設工事、足場工事、設備・機器の導入・据付工事、配管工事、製缶工事などの種類が異なる工程ごとに、専門業者を雇うことも珍しくありません。

依頼する業者によってもかかる費用は変わるので、プラント設備工事の正確な費用を知りたいときは、工事を依頼する業者へ見積もりをお願いするのが一番正確に算出できるでしょう。

すべてのプラント設備工事にかかる費用を大まかにでも知りたいときは、プラント設計から建設、検査まで対応するプラント建設会社へ相談してみることをおすすめします。

プラント設備工事にかかる工程ごとの費用相場

プラント設備工事にかかる詳細な費用相場を出すのは困難であるものの、費用の算出方法や大まかな費用感を知りたい方も多いと思います。ここからはプラント設備工事の工程ごとにかかる大体の費用相場を解説します。

プラント本体となる建物の建設費用相場

プラント本体となる建物の建設費用は、国土交通省の「建設着工統計調査」を活用することで、大まかな見積もりができます。2023年分の「建設着工統計調査（2024年1月31日）」によると、構造別の1坪あたりの建設費水準は次のとおりです。

※同調査の「着工建築物:用途別、構造別 （建築物の数、床面積の合計、工事費予定額）」の「工場及び作業場」より、工事費予定額÷床面積の数値を坪へ変換して算出、小数点第二を四捨五入

日本の工場の多くは、鉄骨造で建築されていると言われています。そのため、プラント本体となる建物の建設費用の平均は1坪あたり80～90万円前後だと推測されます。ただし建築費用の相場は、都道府県によっても変わるので注意しましょう。

プラントの配管工事の費用相場

プラントの配管工事とは、プラント内で使用するさまざまな流体（液体・気体・粉体など）を必要な箇所へ流すための配管を、製作・設置する工事のことです。

プラント設備工事における配管工事の費用は、プラント建設にかかる費用総額の約10〜15％程度だと言われています。もし見積もり等でプラント工事全般の費用が算出できたときは、総額の10〜15％の割合が、プラントの配管工事にかかる費用だと予測できます。

しかしながら曖昧な目安であるため、配管数、使用している材料、動員する現場作業員数、作業日数などを基に費用を算出してくれる業者から、直接見積もりをもらうのがよいでしょう。

プラントの足場工事の費用相場

プラント設備工事における足場工事とは、プラントの工事現場にて高所や入り組んだ場所での作業・移動スペースを確保するために、仮設足場を組む工事のことです。

足場の単価は、1㎡当たり700～800円だと言われています。高い事業者でも、1㎡あたり1,000円程度です。

プラント設備解体の費用相場

もしプラントの稼働が終了してプラント設備を解体・廃棄する場合には、プラントの解体工事費用がかかります。プラントの解体にかかる費用の相場は、坪単価あたり3～5万円だと言われています。対応する坪数が広いほど、1坪あたりの解体費用が安くなることも多いです。

プラント設備の解体工事の場合は、プラント自体の広さ・高さ、設備の大きさ、プラントの構造（木造か鉄骨造かなど）、付帯する作業（残油の中和や特殊設備の解体など）の有無によって、費用は大きく変化します。一般的な住宅の解体工事よりも、費用は高めになると思っておきましょう。

もしプラント設備にアスベストが使用されている場合は、その分だけ費用が高くなります。

プラント設備工事関連を外注するときの注意点

プラント設備工事関連の作業を専門業者へ外注するときは、費用面やスケジュール面に注意しておきましょう。プラント設備工事関連を業者へ外注するときの注意点をまとめました。

相見積もりや実績の比較検討を行うこと

プラント設備工事を専門業者へ依頼するときは、最初から1社に決めるのではなく相見積もりを取ることをおすすめします。1社にしか見積もりを依頼しない場合だと、掲示された費用が適正価格なのかの判断が難しいからです。最低でも2社、できれば3社程度の見積もりを行うのがよいでしょう。

相見積もりをお願いするときは、費用だけでなく以下の要素についても比較検討してください。

• プラント設備工事に関する実績や評判
• 担当者の身なりや態度
• 掲示された見積もりの透明性（金額の内訳や費用の詳細が出ているか）

総合的にチェックしてから、最終的に依頼する業者を選定することを推奨します。

業者との話し合いをしっかりと行うこと

プラント設備工事を業者に依頼する際は、工事内容や日程などについて業者としっかりと話し合いましょう。依頼側のニーズが業者側に伝わらなければ、こちらが求める設計図や工期の提案を受けるのが難しくなります。

また認識の齟齬が残ったまま工事に進むと、工事途中で取り返しがつかない問題に直面するリスクがあります。

工事のスケジュールには余裕を持たせること

プラント設備工事のスケジュールには、できる限り余裕を持たせておきましょう。ギリギリのスケジュールだと、何かトラブルが発生したときに調整が効かなくなります。

また業者へ依頼するタイミングが遅くなると、業者側のスケジュールに無理を強いることになり、仕事の品質が落ちるリスクがあります。逆にスケジュール的に余裕があれば、レイアウトの変更や追加の工事の依頼などの臨機応変な対応にも応じてくれる可能性が上がるでしょう。

情報伝達が問題なくできるようにすること

プラント設備工事を複数の業者へ依頼したり、二次請け・三次請けなど下請けが増えたりするときは、進捗状況の報告や指示が錯綜しないように、情報伝達が問題なくできる体制を整えておきましょう。

下請けの作業員への指示、必要な情報を必要な人へ届くような周知の実行など、情報の伝達ミスが発生しないように注意してください。

まとめ｜プラント設備工事にかかる費用は意識しておこう

プラント設備工事にかかる費用を正確に見積るには、工事を依頼する業者へ直接見積もりをお願いするのが一番の近道です。相見積もりなどで大まかな費用相場を確認し、こちら側のニーズに合う専門業者へプラント設備工事を依頼するのがよいでしょう。

この記事の監修者

KK MAGNET 事務局

KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去・磁力検査や粉体輸送、省人化等の事業です。
プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。 本コラムはKK MAGNETが監修するお役立ちコラムです。