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液体用・粉体用・スリム型…マグネットトラップのタイプ別メリット比較

食品や化学製品、医薬品など、異物混入を防ぐことは品質管理において欠かせない取り組みです。その中でも金属異物は特にリスクが高く、製品の安全性や信頼性を大きく損なう可能性があります。そこで活用されるのがマグネットトラップです。強力な磁力で金属片や鉄粉を捕捉し、製品への混入を防ぐ役割を果たします。

一口にマグネットトラップといっても、実際には液体用・粉体用・スリム型など、用途や設置環境に応じた複数のタイプが存在します。それぞれの特性を理解し、導入現場に最適なタイプを選ぶことが、安全性と生産効率を両立させるために欠かせません。

本記事では、「液体用」「粉体用」「スリム型」の3種類に焦点を当て、タイプ別の特徴とメリットを比較しながら解説します。導入を検討している方にとって、どのような選び方が適切かを整理できる内容となっています。

液体用マグネットトラップの特徴とメリット

液体製品における異物対策の重要性

液体製品を扱う食品工場や飲料工場では、微細な金属粉や鉄片がラインに混入するリスクがあります。ポンプや配管内部の摩耗、原料に混ざり込んだ異物など、原因は多岐にわたります。液体は流動性が高いため、異物も容易にラインを通過してしまい、最終製品に混ざる危険性が高いのです。

そこで用いられるのが液体用マグネットトラップです。配管やタンクの途中に設置され、液体が通過する際に強力な磁力で異物を捕捉します。

液体用マグネットトラップの構造

液体用のタイプは、配管に直接取り付けられる構造を持ちます。マグネットロッドやマグネットバーが内部に配置され、液体が通過する際に異物が吸着される仕組みです。多くの場合、清掃しやすいように分解が可能で、異物の除去やメンテナンス性も考慮されています。

液体用マグネットトラップのメリット

液体用のメリットは以下のように整理できます。

  • 流体中の微細異物を効率的に捕捉できる
  • 配管やタンクに組み込みやすい構造
  • 清掃や点検が容易で、衛生的に運用できる
  • 食品・飲料・医薬品分野での異物混入リスクを大幅に低減

とくに食品や飲料では、消費者の口に入る製品のため安全基準が厳格です。液体用マグネットトラップを導入することで、国際規格やHACCP対応にも有効となります。

粉体用マグネットトラップの特徴とメリット

粉体製品に特有のリスク

粉ミルク、粉末スープ、化学粉体、医薬品の原料など、粉体製品を扱う現場にも金属異物の混入リスクは存在します。粉体は見た目には異物が混ざっていても分かりにくく、最終製品で問題が発覚するケースも少なくありません。そのため、製造工程での早い段階から異物を取り除く仕組みが求められます。

粉体用マグネットトラップの構造

粉体用はホッパーや搬送ラインに取り付けられるケースが一般的です。内部には複数のマグネットバーが格子状に配置され、粉体が通過する際に異物を吸着します。粉体は液体と異なり流動性が低いため、異物がマグネットに接触しやすく、効率的に捕捉できます。

粉体用マグネットトラップのメリット

粉体用には以下の利点があります。

  • 粉体の流れに沿って異物をしっかり捕捉
  • 設置が比較的容易で、多様なラインに対応可能
  • 格子状のマグネット構造により、捕捉効率が高い
  • 原料段階から混入リスクを抑制できるため、最終製品の品質が安定

粉体は特に回収・リコールのリスクが高く、異物混入が発覚した際の損害は大きくなりがちです。そのため、粉体用マグネットトラップはリスクマネジメントの観点からも重要な役割を果たします。

スリム型マグネットトラップの特徴とメリット

スペース制約への対応

工場や生産ラインでは、すでに多くの機械や配管が設置されており、新たにマグネットトラップを導入する際に設置スペースが限られているケースが少なくありません。そこで役立つのがスリム型マグネットトラップです。

スリム型の構造と用途

スリム型は、その名の通りコンパクト設計が特徴です。省スペースで取り付けられるため、既存のラインに後付けしやすく、レイアウト変更を最小限に抑えられます。小型ながら磁力は強力で、液体や粉体いずれのラインにも応用可能です。

スリム型のメリット

スリム型が選ばれる理由には以下のような点があります。

  • 限られた設置スペースでも導入可能
  • 既存ラインに追加しやすく、改修コストを削減
  • メンテナンスが容易で扱いやすい
  • 液体・粉体どちらにも対応できる汎用性

とくに、工場の稼働を止めずに追加導入したい場合や、ライン全体の大掛かりな改修を避けたい場合には、スリム型が非常に有効です。

タイプ別比較と選定ポイント

タイプ別メリット比較表

タイプ 主な用途 構造の特徴 主なメリット
液体用 飲料、調味料、医薬品液など 配管・タンク内に設置 微細な異物を効率的に捕捉、清掃が容易
粉体用 粉ミルク、粉末食品、化学粉体など ホッパーや搬送ラインに格子状配置 捕捉効率が高い、設置が容易
スリム型 液体・粉体の両方 コンパクト設計、省スペース 既存ラインに後付けしやすい

導入時の検討ポイント

マグネットトラップを選ぶ際は、以下の観点を押さえることが重要です。

製品の性質に合ったタイプを選ぶ

液体なら流動性に適した液体用、粉体なら格子状の粉体用が基本です。

設置環境やスペースを考慮する

既存ラインに追加する場合はスリム型が有効です。

メンテナンス性を確認する

清掃や異物の回収が容易であれば、長期的に安定運用が可能です。

異物混入リスクの大きさを把握する

原料段階か最終工程かによって必要な捕捉性能は異なります。

まとめ

マグネットトラップは、金属異物を効率的に除去するための重要な装置であり、製品の安全性と品質を守るうえで欠かせない存在です。液体用は流動性のある製品に適しており、衛生的かつ効率的な異物除去が可能です。粉体用は格子状の構造で捕捉効率が高く、粉体特有のリスクを抑える効果があります。そしてスリム型は、省スペースで導入できる柔軟性が魅力で、既存ラインへの追加導入にも適しています。

導入を検討する際には、製品の種類、ラインの構造、設置スペース、メンテナンスのしやすさといった要素を踏まえて、最適なタイプを選ぶことが求められます。適切に選定・運用することで、異物混入のリスクを最小限に抑え、製品の信頼性を高めることができるでしょう。

品質管理の強化が求められる今、マグネットトラップの導入は単なる設備投資ではなく、ブランド価値を守るための重要な取り組みといえます。

この記事の監修者

ケーケーマグネット株式会社

KK MAGNET 事務局

KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去磁力検査粉体輸送、省人化等の事業です。
プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。

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