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液体用マグネットはどんな液体に使える?対応可能な用途一覧

液体の中に混入するわずかな金属異物が、製品の品質や設備の安全性に大きな影響を与えることがあります。
食品・飲料・医薬品・化学薬品・塗料・オイルなど、液体を扱うあらゆる製造現場では「異物混入防止」が欠かせません。
その中でも、液体用マグネット(マグネットフィルター)は、液体の中に含まれる鉄粉やステンレス片などの磁性異物を効率的に除去するための装置です。

固体用のマグネットとは異なり、液体用は流体の性質・粘度・温度・圧力などを考慮して設計されており、用途の幅が非常に広いのが特徴です。
この記事では、液体用マグネットがどのような液体に対応できるのか、また各分野でどのように活用されているのかをわかりやすく解説します。

液体用マグネットとは?基本の仕組みを理解する

液体用マグネットは、内部に強力な磁石(主にネオジム磁石)を組み込み、液体がその周囲を通過することで金属異物を吸着・除去する装置です。
構造としては、配管の途中に設置されるインラインタイプや、液体が流れる槽やタンクに設けられるトラップ型などがあります。

液体中に混ざる金属異物は目に見えないほど微細なものも多く、通常のフィルターでは捕まえきれません。
しかし、磁力を利用することで、流体の流れを妨げずに微粒子レベルの鉄粉を除去できるのが大きな利点です。

また、液体用マグネットは非接触・無消耗の方式であるため、フィルターのように頻繁な交換が不要で、ランニングコストの削減にもつながります。

液体用マグネットが対応できる液体の種類

液体用マグネットは非常に汎用性が高く、以下のような多種多様な液体に対応しています。
ここでは、主な液体のカテゴリーごとに、具体的な用途や注意点を解説します。

1. 水系液体(清水・排水・冷却水など)

最も一般的な用途が、水系の液体です。
工場やプラントでは、清水・循環水・冷却水などに鉄粉が混入すると、配管の詰まりやポンプの摩耗、熱交換器の性能低下を招くことがあります。
液体用マグネットを設置することで、これらの金属粒子を連続的に除去でき、設備の長寿命化やメンテナンス回数の削減に大きく貢献します。

特に金属加工工場などでは、切削液や洗浄水の再利用を行う際に、磁力で鉄粉を除去することで再利用率を向上させるケースもあります。

2. 食品・飲料系液体(ジュース・乳製品・ソース類)

食品分野でも液体用マグネットは欠かせません。
製造工程中の金属混入は、異物混入事故やリコールにつながる重大なリスクです。
液体状の食品(例:果汁、ミルク、シロップ、ソース、ドレッシングなど)を配管で搬送する際に、
マグネットフィルターを通過させることで、鉄系異物を確実に除去できます。

また、乳製品やソースのような粘度の高い液体に対応できるよう、
流速を抑えて吸着時間を確保する「マグネットトラップ型」も活用されています。

衛生面にも配慮されたステンレス構造や、CIP洗浄(自動洗浄システム)に対応した製品もあり、食品工場での導入が年々増加しています。

3. 医薬・化粧品系液体(溶液・クリーム・ローション)

医薬品や化粧品の製造現場では、製品の安全性と品質保持のために異物除去が徹底されています。
特に、薬液やローション、ジェル、クリームなどの製造ラインでは、製造装置の摩耗粉や微細な金属片が混入することがあります。

液体用マグネットを導入することで、こうした目に見えない金属異物を磁力で捕集し、製品の純度を保つことができます。
また、医薬品製造ではGMP基準に適合した構造(サニタリー設計)が求められるため、
分解・洗浄が容易でデッドスペースの少ないタイプが選ばれます。

4. 化学薬品・液体原料(酸・アルカリ・溶剤など)

化学プラントや原料メーカーでも、液体用マグネットは重要な役割を果たします。
化学反応槽や配管内に金属粉が混入すると、反応を阻害したり、生成物の純度を低下させたりする恐れがあります。
液体用マグネットは、耐薬品性の高いステンレスや樹脂コーティングを採用したタイプが用いられ、
強酸・強アルカリ・有機溶剤などにも対応可能です。

また、磁石が直接液体に触れないスリーブ保護型や完全密閉構造のタイプを選ぶことで、
腐食や磁力劣化を防ぎつつ長期間安定稼働できます。

5. オイル・潤滑油・燃料系液体

油類の異物混入も深刻な問題です。
エンジンオイル・作動油・切削油・潤滑油などに金属粉が混入すると、
ポンプやバルブの摩耗、シール部の損傷などを引き起こします。

液体用マグネットは、油中でも安定して機能するため、メンテナンスコストを大幅に低減できます。
特に金属加工や自動車部品の製造現場では、油循環ライン内にマグネットフィルターを設置し、
再利用油の品質を保つことで生産効率を向上させています。

6. 塗料・インク・スラリー液体

塗料やインク、顔料などのスラリー系液体は、金属異物が混ざると仕上がりのムラやノズル詰まりの原因になります。
液体用マグネットは、粘度の高い流体にも対応できる構造を持ち、微粒子レベルの鉄粉を確実に捕集します。
また、磁力が液体全体に均等に行き渡るよう設計された「多段構造型」を採用することで、
流量を維持しながら異物除去精度を高めることができます。

特に印刷業界では、マグネットを導入することで印刷機のノズル詰まりやムラを防ぎ、
歩留まりの改善に大きく寄与しています。

7. その他の特殊液体(冷媒・乳化液・廃液など)

近年では、冷媒・乳化液・メッキ液・排水処理液など、より特殊な液体にも液体用マグネットが利用されています。
例えば、メッキ液中の鉄粉を除去することで仕上がり品質を向上させたり、
廃液処理の前段階で金属回収を行うことでリサイクル効率を上げたりと、環境対策にも応用されています。

これらの分野では、液体の性質(導電性・腐食性・温度など)に応じて、磁石の材質やコーティングが最適化されています。

液体用マグネット導入のメリット

液体用マグネットを導入する最大のメリットは、製品品質の向上と設備保護の両立にあります。

  • 微細な金属異物を除去し、最終製品の品質を安定化
  • 異物によるバルブやポンプの摩耗・詰まりを防止
  • 清掃・保守が容易でランニングコストが低い
  • 目視検査に頼らず、工程内で異物を自動除去
  • 環境規制への対応や廃棄コストの削減

特に、液体を扱う業種では磁力除去の安定性が高く、長期運用でコストパフォーマンスが優れています。

導入時の注意点と選定のポイント

液体用マグネットを選ぶ際は、液体の粘度・温度・圧力・成分を事前に把握することが重要です。
これらの条件によって、磁力の強さ・構造タイプ・耐食性素材が変わります。

また、ライン全体の流量や設置スペースを考慮して、
「インライン型」「トラップ型」「挿入型」などの構造を選定することが求められます。
メンテナンス頻度や洗浄方法(手動洗浄・自動洗浄)も導入前に確認しておくと安心です。

まとめ

液体用マグネットは、水・食品・薬品・油・化学液など、
あらゆる液体の金属異物除去に対応できる多機能な装置です。
用途に応じて構造や材質を選べば、製品品質の向上はもちろん、
設備のトラブル防止や生産ラインの効率化にもつながります。

液体を扱うすべての製造現場において、「液体用マグネット」は欠かせない存在です。
自社の液体特性やライン構成に最適なタイプを導入し、異物混入ゼロを目指しましょう。

この記事の監修者

ケーケーマグネット株式会社

KK MAGNET 事務局

KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去磁力検査粉体輸送、省人化等の事業です。
プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。

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