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プレート型マグネットの取り付け位置で効果は変わる?金属異物除去を最大化する最適配置のポイント

製造現場や食品工場、粉体・化学原料を扱う工程において、金属異物対策は品質管理の要ともいえる重要なテーマです。その中でも、構造がシンプルで導入しやすいプレート型マグネットは、金属異物除去の基本装置として多くの現場で使用されています。

しかし、「プレート型マグネットを設置しているのに思ったほど金属が取れない」「導入前と比べて効果が実感できない」といった声が聞かれることも少なくありません。その原因の多くは、磁力不足ではなく、取り付け位置や設置方法が適切でないことにあります。

プレート型マグネットは、どこに、どの向きで設置するかによって、金属異物除去効果が大きく変わる装置です。つまり、同じマグネットを使用していても、配置次第で成果に大きな差が生まれます。

本記事では、「プレート型マグネットの取り付け位置で効果は本当に変わるのか?」という疑問に対し、原理的な考え方から、工程別の最適配置、よくある失敗例、効果を高める実践的なポイントまでをわかりやすく解説します。既存設備の見直しや、これから導入を検討している方にとっても、役立つ内容となっています。

なぜプレート型マグネットは取り付け位置が重要なのか

プレート型マグネットは、通過する原料や製品に含まれる鉄系金属を磁力で吸着する装置です。このとき重要になるのが、金属異物が磁石の有効範囲内にどれだけ近づくかという点です。

磁力は距離が離れるほど急激に弱まります。そのため、原料がマグネット表面から離れた状態で流れてしまうと、十分な吸着力が働かず、金属異物を取り逃がす原因となります。つまり、プレート型マグネットの性能を最大限に引き出すためには、金属異物が磁石に近づきやすい位置に設置することが不可欠なのです。

プレート型マグネットの基本的な取り付けパターン

落下工程の直下に設置するケース

原料が上から下へ落下する工程は、プレート型マグネットの効果を発揮しやすい代表的な設置ポイントです。原料が自然落下することで、金属異物が重力により磁石表面へ引き寄せられやすくなります。

この場合、落下距離が長すぎると原料の勢いが強くなり、磁石に接触する前に通過してしまうことがあるため、落下直後の位置に設置することが重要です。

シュート・ホッパー内への取り付け

原料が一定方向に流れるシュートやホッパー内に設置する方法も一般的です。特に、傾斜面に沿って原料が滑る構造では、原料とマグネットが長時間接触しやすく、安定した金属異物除去が可能となります。

この場合、原料の流れを妨げない角度で設置することがポイントとなります。

コンベヤ上・下部への設置

ベルトコンベヤを使用するラインでは、プレート型マグネットを上部または下部に配置するケースがあります。特に下部設置では、原料がベルトに押し付けられる形となるため、金属異物が磁石に近づきやすくなります。

ただし、ベルトとの距離が適切でないと、除去効果が大きく低下するため注意が必要です。

工程別に見る最適な取り付け位置の考え方

粉体工程における最適配置

粉体原料は流動性が高く、空気を含みやすいため、金属異物が原料の中に浮いた状態で流れることがあります。このような工程では、原料が薄く広がる位置にプレート型マグネットを設置することが効果的です。

また、単一の設置だけでなく、複数枚を段違いに配置することで、捕捉率を向上させることができます。

粒体・ペレット工程における最適配置

粒体やペレットは重量があるため、落下工程での設置が有効です。落下時に原料がバラける位置を狙うことで、金属異物が磁石表面に近づきやすくなります。

ここで重要なのは、原料の厚みを抑えることです。層が厚くなると、内部に含まれる金属異物が磁力の影響を受けにくくなります。

食品工程における配置の注意点

食品工場では、異物除去性能だけでなく、衛生性や清掃性も重視されます。そのため、清掃しやすい位置に設置しつつ、異物が再落下しない構造にすることが求められます。

特に、作業者が容易にアクセスできる位置に設置することで、日常点検や清掃が徹底しやすくなります。

取り付け位置を誤った場合に起こりやすい問題

  • 金属異物が磁石に近づかず、除去率が低下する
  • 原料が一部しか接触せず、捕捉ムラが発生する
  • 吸着した金属が再び原料中に落下する
  • 清掃が困難になり、運用負荷が増大する

これらの問題は、マグネットの性能不足ではなく、設置位置や角度のミスマッチによって引き起こされるケースがほとんどです。

プレート型マグネットの効果を最大化する配置のポイント

プレート型マグネットの性能を最大限に引き出すためには、以下のような考え方が重要です。

  • 原料が磁石表面にできるだけ近づく位置を選ぶ
  • 原料の流れを分散させ、接触時間を長くする
  • 必要に応じて複数枚を組み合わせる
  • 清掃・点検がしやすい位置に設置する

これらを踏まえた配置を行うことで、同じプレート型マグネットでも除去効果を大きく向上させることが可能です。

既存ラインでの見直しが効果的な理由

新たに高磁力マグネットを導入しなくても、設置位置を見直すだけで異物除去効果が改善するケースは少なくありません。特に、長年同じ配置で使用しているラインでは、原料特性や生産条件の変化により、最適な位置が変わっている可能性があります。

定期的な配置見直しは、コストを抑えながら品質向上を実現する有効な手段といえるでしょう。

まとめ

プレート型マグネットは、金属異物除去において非常に有効な装置ですが、その効果は取り付け位置によって大きく左右されます

この記事の監修者

ケーケーマグネット株式会社

KK MAGNET 事務局

KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去磁力検査粉体輸送、省人化等の事業です。
プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。

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