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食品工場建設はどのようなフローで進む?各工程の概要や注意点を解説

新しい食品工場の建設は、企業にとって一大プロジェクトです。成功させるには、担当者や経営陣が「建設がどのように進むのか」を大まかにでも理解しておくことが大切になります。

本記事では、食品工場の建設における大まかなフローや各工程の注意点を解説します。

食品工場建築のおおまかなフロー|各工程で意識したい注意点

食品工場建築は、食品工場ならではの注意点を押さえながら進みます。食品工場建築のおおまかなフローを見ていきましょう。

すべてのベースとなる基本計画策定

まずは今後のフローのベースとなる基本計画を作成し、食品工場建築の方向性を明確にします。「どのような工場を建設したいか」によって、設計内容やスケジュールが大きく変化するからです。

会社全体が将来的に目指す目標、新工場のコンセプト、解消したい課題などを基に、新工場へ求めるものを計画へ盛り込みます。具体例は次の通りです。

  • 主力商品の生産量を増やしたい、新品種や新設備に対応したい
  • 老朽化した設備を新しくして生産を安定させたい
  • 工程の自動化やAI導入などによる、高品質化や省人化を達成したい

基本計画時点では、必要なランニングコスト・イニシャルコスト、導入設備の選定、衛生的環境構築、工場の規模、建設エリア、工期など、食品工場の建築に必要な部分の詳細・目安はしっかりと決めることが大切です。

基本計画を練るときは、経営陣や管理職だけでなく現場従業員からの要望のヒアリングを行ってください。また、この時点で建築会社へ相談しておき、一緒に計画を立てるのがおすすめです。建築会社は、食品工場の建築経験・実績がある業者を選定するのがよいでしょう。

大まかな建築指標となる基本設計

基本設計とは、基本計画や各種法規制などを基に、大まかな図面を作成することです。工場レイアウト、従業員の導線、機械設備の仕様書、計装関係、ワークフローなどを作ります。

食品工場の場合は、ここでゾーニング(清潔区域、凖清潔区域、汚染区域などを分けること)を決めておきましょう。「清潔区域と汚染区域を隣り合わせない」「汚染区域→凖清潔区域→清潔区域→凖清潔区域→汚染区域となる動線にする」など、汚染や異物混入が防げる衛生的な環境の構築を意識します。

実際の施工・申請に使用する実施設計

実施設計とは、実際の施工や役所への確認申請で使用する設計図書の作成のことです。建築設計、機器設計・配置図、配管図、配線図の他にも、各種設備(電気証明・冷暖房・排水関係など)の詳細、給水・排水容量なども詳細に決定します。

実施設計が完了したら、実地設計の内容を基に建築確認申請を行います。建築確認申請とは、確認申請書や建築計画概要書、建築工事届などの必要書類を提出し、当該工場が建築基準法などの法令に適合しているかを確認してもらうことです。必要書類の種類は、事前に各都道府県の窓口にて確認しておきましょう。

製作・施工などの建設工事

申請内容に問題がなければ、実際に発注して着工に入ります。工事管理、品質管理、予算管理、安全管理などを行いつつ、食品工場の建築が進みます。一般的な工場の工事の流れは、地盤改良→基礎→土間コンクリート→鉄骨→屋根→外装→内装→建築設備工事です。

食品工場は衛生面・安全面が重要になるので、全工程を業者に任せるのではなく、定期的に建築状況をチェックし指示を行いましょう。

本生産入るための検査・試運転

建築工事が完了したら、特定行政機関による検査が行われます。工場敷地内の安全性、耐震性・耐火性などの耐性関係、消火設備・防火設備、避難経路などがチェックされるポイントです。

検査に合格して工場の稼働許可が出たら、実際に稼働できるかの試運転を行います。不具合や問題が見つかったら改善・調整を繰り返し、本生産が問題なく進められるようにします。

「工事と検査が終わったから後はテストだけ」と油断してはいけません。新工場やラインの立ち上げ作業は、想像を超える時間と労力が必要になります。想定外のトラブルや不具合が見つかることも珍しくないので、本生産までのスケジュールにバッファを取っておくのがよいでしょう。

試運転が完了したら、業者からマニュアルや図面を受け取り大切に保管しておきます。

まとめ|食品工場建設後は効率的な生産を!

基本計画策定から試運転までが、食品工場建設におけるフローです。1つひとつの工程を慎重に進めれば、新工場・新ラインであっても確実に達成できます。

しかし試運転が終わり本生産に入ってからも、ほとんどの場合でさまざまな不具合や調整不足が発生するでしょう。業者の定期点検やアフターフォローを利用しながら、効率的かつ安定した生産を目指してください。

この記事の監修者

ケーケーマグネット株式会社

KK MAGNET 事務局

KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去磁力検査粉体輸送、省人化等の事業です。
プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。 本コラムはKK MAGNETが監修するお役立ちコラムです。

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