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食品製造における金属混入防止の考え方|3つの管理方法を解説
食品製造における金属混入を防ぐには、金属混入が発生しない仕組みや、金属混入に関する発見・除去システムの構築などが重要になります。金属混入は自社ブランドの評判の著しい低下および消費者の健康被害につながるので、金属混入防止に関する正しい知識を身に付け、対処できるようにしましょう。
本記事では、防虫や微生物などの予防管理で有名なイカリ消毒株式会社が提唱する「異物混入の三原則」などを参考に、金属混入対策について考察していきます。
考え方1.そもそも金属を「入れないこと」
職場全体や作業者個人が金属混入を警戒しても、金属疲労による劣化や製造機器トラブルによる破損や部品ゆるみなど、予想しづらい要素で金属混入が発生するケースがあります。大切なのは、金属混入の原因を事前に察知し取り除く「入れないこと」を徹底する管理です。
金属を製品に入れないようにするための対策案は次の通りです。
- 機械設備や部品の状態について、正常なケースと異常なケースの見分けが付くようにしておく(ネジ抜けマーキング、各種数値の定期的な記録など)
- 機械設備や金属関係の工具は定期的に点検・メンテナンスを行い、経年劣化、部品のゆるみ・脱落、駆動部の削れなど金属混入の原因を、事前に発見・除去しておく
- 新しい設備の導入や金属関係の加工などを行う際は、金属粉の飛散防止策、作業後の清掃・洗浄、本製造前の残留物確認などを怠らないこと
- 製造現場で使用する金属製の備品等は、削れや剥がれなどが発生しづらいものを導入する
上記のルールは工場や職場全体で周知し、全員でルール遵守を徹底することが大切です。
考え方2.異物となる金属を「持ち込まないこと」
製造ラインや製品由来の金属片が出てこないケースでも、現場の外から持ち込まれたものによる金属混入が発生するリスクがあります。金属を含め、異物となりえるものを現場内に「持ち込まないこと」も必要です。とくに医薬品や食品の工場だと、他の工場と比較して持ち込みルールが厳しく設定されるのが一般的です。
現場内への持ち込みや身体への着用が禁止される物品の例を見ていきましょう。
- ホッチキス
- 金属たわし
- 折刃式カッター
- 指輪・イヤリングなどの金属製のアクセサリ
- 製造に関係のないネジ・ナットなどの部品
持ち込み禁止とする金属関係については事前にリストを作成し、正社員だけでなくパート社員や外部業者にも配布しておきましょう。
どうしても持ち込みが必要なものがあれば、現場へ入る前に持ち込むものを記録し、現場退出時に「持ち込んだものが手元にあるか」「何に使用したのか」をチェックする体制を整えておくことをおすすめします。
考え方3.万が一入っても途中で「取り除くこと」
万が一製造ラインや製品へ金属が混入してしまった場合でも、出荷する前に検知して取り除く仕組みを構築しておきましょう。人間側が注意しても金属混入を100%防ぐのは難しいからこそ、システムや機器などで物理的に「取り除くこと」が重要です。
金属除去用の機器で代表的なものは、ストレーナー、メッシュ、マグネットなど製造ラインに設置するろ過装置や、X線検査機器、金属検出機、外観検査装置などのシステムが挙げられます。
取り除く管理を進める場合は、ろ過装置の定期点検の頻度・方法や、金属検出時の製品排除・製造ライン停止などの機械的対応策などを事前に決めておきましょう。
まとめ|金属混入防止は正しい対応策を!
金属混入防止の意識や対策を工場へ浸透させるには、正しい対応策の考え方と実施が必要になります。本記事で紹介した対応策を基本とし、各工場の現場に合わせて対応策を講じるようにしましょう。
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この記事の監修者
KK MAGNET 事務局
KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去・磁力検査や粉体輸送、省人化等の事業です。
プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。
本コラムはKK MAGNETが監修するお役立ちコラムです。