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製薬プラントとは?製造工程や重要性について解説

製薬プラント(薬品プラント)は、各医薬品メーカーが開発・販売する医薬品を大量製造している工場です。製薬プラントで規格通りの効能・品質を持つ医薬品が必要数製造されることで、医療用・一般用問わず多くの医薬品が患者の元へ届けられます。

本記事では、製薬プラントの概要や製造工程、製薬プラントが抱える課題などから、医薬プラントの重要性について解説します。

製薬プラントとは

製薬プラントとは、医薬品を製造するプラントのことです。プラントは「複数の設備・機器が組み合わさって作られた工場」という意味で、比較的規模が大きなケースが多いです。

厚生労働省「令和3年(2021)薬事工業生産動態統計年報の概要」によると、医薬品最終製品の生産金額は9兆1,802億円と非常に大きな規模になっています。そのうち医療用医薬品が占める割合は8兆4,310億円と全体の91.5%、要指導医薬品・一般医薬品は7,491億円で8.2%と、ほとんどが医療用医薬品で占められているとわかります。

製薬プラントで製造される医薬品は、長年の基礎研究や非臨床試験、臨床試験、機関による審査を経て製造が許可されたものです。日本ではひとつの薬ができるまで10年以上の歳月と500億円もの費用がかかるとされ、そうした慎重なプロセスを踏んで出来上がった医薬品を、効率的かつ大量に製造するのが製薬プラントの役目です。

製薬プラントの原薬・製剤工程について

製薬プラントの製造工程は、主に原薬工程と製剤工程の2つに分けられます。

原薬工程とは、医薬品の中に含まれる有効成分である、原薬を作る工程です。作業者が原薬となる化合物を作り、品質管理の担当者が品質や微生物についての検査を行います。

製剤工程とは、原薬と乳糖・でんぷん粉などの賦形剤(ふけいざい)を混ぜ合わせて成形・コーティングし、錠剤として加工する工程です。錠剤として市場に出回っているのは、製剤工程で製造された製品になります。製造した錠剤は物理的検査や科学的検査、出荷前検査などを経て、効果や安全性を担保してから出荷されるのが一般的です。

細かい製造工程や使用機器、使用技術などは、各社の製品の内容や企業規模によって大きく異なります。

製薬プラントが抱える課題

人体に入る医薬品を製造する製薬プラントは、製造する医薬品の品質管理について高いハードルが設けられます。医薬品の市場への出荷や製造販売することは医薬品医療機器等法で規制されており、実施するには法律・省令を遵守しつつ厚生労働省の許可・承認が必要です。

医薬品の製造販売業の許可基準として、GMP(Good Manufacturing Practice、医薬品の製造管理および品質管理の基準)に適したプラントを建築し、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構または都道府県へ申請し調査を受けることが挙げられます。品質を保ちつつ、製造ラインの衛生状態や作業者の安全を確保しなければなりません。

さらに、医薬品の適切な供給を行うための生産体制の構築や、生産効率の向上なども同時に達成を目指す必要があります。近年では薬価制度の改正や品質管理・製品基準の厳重化なども製薬業界全体の問題として挙げられており、利益やコストカットを目指した機械設備の稼働率向上、人員配置、作業の見直しなども行われます。

製薬プラントが抱える課題は非常に多いと言えるでしょう。

まとめ|製薬プラントは医薬品メーカーの生命線

製薬プラントは、市場で出回るさまざまな医薬品を製造する工場です。製薬プラントで十分に需要をまかなえる数の医薬品が製造され、その1つひとつの製品の品質が担保されているからこそ、私たちは安全に医薬品を服用することができます。

また、製造工程の効率化はそのまま企業の利益やコストダウンにつながることから、製薬プラントは医薬品メーカーにとって生命線とも言える重要な設備です。

この記事の監修者

ケーケーマグネット株式会社

KK MAGNET 事務局

KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去磁力検査粉体輸送、省人化等の事業です。
プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。 本コラムはKK MAGNETが監修するお役立ちコラムです。

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