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製薬プロセスにおける粉体搬送装置の必要性|導入前の検討事項も解説
医薬品の製薬プロセスにおいて、粉体原料を利用することは珍しくありません。粉体搬送装置なら、粉体の取扱による作業負担や危険を軽減できます。
本記事では製薬プロセスにおける粉体搬送の必要性や、粉体搬送装置を導入する前の検討事項を解説します。
製薬プロセスにおける粉体搬送の必要性
製薬プロセスにおける粉体搬送の必要性として、衛生状態を保ち異物混入を防ぐこと、製薬製造の生産効率化を達成すること、作業者の安全を守ることの3つが挙げられます。
衛生状態を保ち異物混入を防ぐ
医薬品製造用の粉体の搬送作業を、タンクや配管といった密閉空間で完結させることで、外部からの異物混入を防ぎやすくなります。またポンプやエアーなどによる搬送であれば、手指と原料の接触による汚染や、汚染によるカビの繁殖なども防止可能です。
自社の医薬品への異物混入の事実が発見・拡散されると、医薬品服用者の健康被害、取引先や消費者からの評判低下、製品回収のコストなど、企業全体の不利益につながります。粉体搬送装置は、製品の衛生状態を保つために効果的な機器と言えるでしょう。
ただし、粉体搬送装置の中には完全な密閉とはならないタイプも存在します。導入前にどの程度の密閉性を求めているのか、手作業が必要な箇所はどこかなどをしっかりと検討することが大切です。
製薬製造の生産効率化を達成する
粉体搬送装置によって、工場の生産効率化を達成しやすくなります。粉体搬送装置導入による、生産効率面でのメリットは次の通りです。
- 原料入り袋の人力による搬送作業を短縮できる
- 粉体搬送の自動化による人員削減や配置転換が可能になる
- 投入時の飛散・暴露やヒューマンエラーによる原料ロスを減らせる
- 配管の長さや配置位置の変更によって、希望する箇所へ自由に粉体を搬送できる柔軟性がある
- 作業者1人当たりにかかる負担を軽減できる
薬価改定や人手不足などの要因で、製薬業界の経営においてもより効率的な生産体制が求められるようになりました。粉体搬送装置の導入は、製薬プロセスの生産効率の改善においてよい影響を与えるでしょう。
作業者の安全を守る
粉体搬送装置の導入によって搬送作業の自動化や搬送経路の密閉化が達成できると、作業者の安全を守ることにもつながります。粉体搬送装置導入による安全面のメリットは次の通りです。
- 重量物(原料が入っている袋など)の搬送や持ち上げ作業が減り、肩や腰への負担を軽減できる
- 密閉構造で粉体の飛散を防止することで、化学物質の吸引や粉塵爆発などを防げる
- 作業の自動化による手作業の削減により、感作性物質の取り扱いがしやすくなる
- 作業者の化学防護服の着用範囲を見直しやすくなる
- CIPシステムによる自動洗浄を導入しやすくなる
医薬品の製造においては、化学反応や有毒性物質などの取り扱いがどうしても発生します。粉体搬送装置の導入によって粉体と人体を物理的に遠ざけることで、作業者は安全に作業しやすくなります。
製薬プロセスに導入する粉体搬送装置の検討事項
自社の製薬プロセスに粉体搬送機を導入する際は、次の要素を確認してから購入を検討しましょう。
- 製造で使用する化学物質・有害物質に対応できるか
- 密閉性はどの程度か
- 搭載機能や操作性は自社の製造に合っているか
- 粉塵爆発対策といった防災装置は機能するか
- レイアウトや設置箇所を柔軟に変更できるか
- 導入にかかるコストやランニングコストはどれくらいか
- 自社での定期点検やメンテナンスが可能か
- CIPに対応できるか
粉体搬送装置の導入によって、「本当に安全性や衛生面で効果があるのか」「生産効率化につながるのか」「対費用効果が出ているか」などが達成できるかを、事前にしっかりと検討しましょう。
まとめ|粉体搬送の自動化・効率化で製造現場を改善
医薬品の製造に利用する粉体の搬送を自動化・効率化することで、製造現場における安全面や生産効率面が改善できる可能性があります。導入によるメリット・デメリットを比較検討し、自社に合う粉体搬送装置を選んでみてください。
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この記事の監修者
KK MAGNET 事務局
KK MAGNET株式会社は、培ってきたハイレベルな施工品質による高磁力磁石・金属異物除去・磁力検査や粉体輸送、省人化等の事業です。
プラントの設備設営に関するトータルな事業に関する高い技術を惜しみなく提供いたします。
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